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5/31 「SF漫画における性の政治学」   永山薫先生

官能的だと感じた作品                  

 

 私が今まで読んできた漫画作品の中で官能的、すなわちえろいと感じた作品は、

少年ジャンプの「To LOVEる」が最初だった。

 

というのも、この作品を少年ジャンプで初めて見たのが小学生のころだったからだ。今、当時少年ジャンプで連載していたものを読んでもなんとも思わないが、初めて漫画の中で女性の入浴シーンを見たときの衝撃は大きかった。

 今でも覚えているシーンが、主人公の男の子が犬になってクラスの美少女とお風呂に入るというものだ。もちろん、湯気で隠すべきところは隠されているのだが、小学生だった私にとってはそんなものは無意味でただただ未知の領域であった。

 また、漫画ではないがアニメ作品で「kiss×sis」という、主人公の男の子と血のつながっていない姉二人のラブコメは大学生になってから見たが、衝撃的だった。

 この作品は女性が服を脱ぐシーンがえろいというより、キスシーンのほうがえろいと感じた。最も印象に残っているのは、チョコレートのリップクリームのようなものを唇に塗ってキスをするという場面である。

 

 このようにただキスや性行為を行うのではなく、他のものを使い、さらに性行為までには至らないがキスで満足するために試行錯誤して出てくる案というのは、えろいとも感じるが、それ以上に二人の関係性の密度が問われているようで私はそういう観点から個人的に好きな描写であり、印象に残っている。

 

 今まで読んだ作品の中でのえろい作品といえば、やはり18禁などの規制のかかったものや、本番行為をしているものが挙げられるかもしれないが、私はむしろすべて見えているというよりも、少ししか見えていないがその先を連想させるものや、その作品のストーリーやキャラクター同士の関係性から生まれる表現に対して「えろい」という感情がある。

 

 これは私が女性であり、行為自体未経験であるからこその反応かもしれないので、今の作品への感じ方と、今後の感じ方を比較するとまた自分にとってのえろい作品は変わっていくのかもしれないと考えた。

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