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4/19 「ファンタジー、幻想小説を書く」    西崎憲先生

私的東京案内                  

 

先日妹から連絡があった。その内容は今度東京に一人で遊びに来るというものだった。いつも東京に来るときは父と母も一緒なのだが、今回は初めて一人で出てくるらしい。

 

待ち合わせは池袋駅東口に十時にした。東京を案内するといったら観光名所である東京タワーや原宿などを案内するのが普通なのかもしれない。しかし有名な観光場所は家族で何回か行ったことがある。

 

そこで私は、「アニメオタクのための東京案内計画」を立てたのだ。

 

 

というのも私も妹もアニメやマンガが好きでよくその手の内容のことを話す。

今回池袋を選んだ一つの理由は、アニメイトがあるからだ!

 

アニメイト自体は全国各地にあるが、その本店が池袋にある。おそらく一番規模が大きい店舗だろう。アニメ好きなら一度は行っておきたい場所だ。

 

一階から八階まであり、アニメ・マンガ・ゲーム関連のグッズがたくさん売っている。妹と駅で合流し、お店まで最近ハマっているアニメの話をしながら歩いた。アニメイトに到着してビルを見上げた妹の目は輝いていた。私たちは八階のオンリーショップ(一つの作品を取り上げてその関連グッズや限定グッズだけを売っている)から順に降りてくることにした。妹は一階一階丁寧に周りすぎだと思うくらいに時間をかけてじっくり見ていた。

 

「地元にもアニメイトはあるけど規模が違いすぎる。置いてある作品の量もグッズの種類も多い!」

 

と、とても喜んでいた。そしてお気に入りのアニメグッズを十点ほど購入した。妹の普段のお小遣いからすると買いすぎだと思ったが、今回のために臨時収入をもらってきたらしい。

 

 

結局お店を出たのは十二時を過ぎていた。そのまま今度はサンシャインシティに向かった。サンシャインというと水族館に行きがちだが、私が案内したいのはそこではない。

「J-WORLD TOKYO」

ここが池袋を選んだもう一つの理由だ。「J-WORLD TOKYO」は「ジャンプ」の作品をテーマに世界観がつくられており、複数のアトラクションやフードコートがある屋内テーマパークだ。

時間も時間だったので二人でまずご飯を食べることにした。ご飯もキャラクターをモチーフにしたものがたくさんある。妹はバレーボールのアニメをモチーフにした麻婆豆腐丼を、私はバスケットボールのアニメをモチーフにしたハンバーガーを選んだ。二人ともフード購入特典のシールをもらい、席に着いた。

さっそく食べ始めようとした瞬間に妹に

 

「待って!」

 

と止められた。空腹から少しいらいらしながら「何?」と聞くと、

 

「写真撮るから。」

 

と言われた。どうやら私が頼んだ分も写真を撮りたいらしい。妹が写真を撮るのを待ってから「いただきます」をして食べ始めた。キャラクターの絵が描かれていると食べるのがためらわれたりするがそんなのもお構いなしにあっという間に平らげてしまった。

 

ご飯後はアトラクションに乗ったりミニゲームをしたりパーク内の隅から隅まで歩き回った。妹は終始テンションが高く、とても楽しんでいるようだった。点数を競うゲームでは買ったほうが負けたほうにジュースをおごるという勝負をした。

「相手が妹だからといって手は抜かない、真剣勝負だ!」

と思って頑張ったものの結果は僅差で私が負けてしまった。悔しいが仕方がない。

飲み物も海賊のキャラクターがモチーフとなっているソーダを二つ注文した。

ジュースを飲みながら妹に今日の感想を聞いてみた。

すると笑顔で「大満足」という答えが返ってきた。

 

 

一日という短い時間でしかも池袋しか案内しなかったのに、案内される側が満足と答えてくれたので私も満足だ。次は秋葉原あたりを案内しようかな。。。

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